身内の人が亡くなった場合には、葬儀以外にもすることは山積みとなります。
葬儀の手配が終われば、次は亡くなった人の遺産の整理をしなければいけません
。
土地や住宅を所有している場合には、遺言が残されていればいいのですが、そうでない場合には、遺産分割協議を相続人全員で行い、誰が土地や住宅を引き継ぐのかを決めなければいけません。そのうえで、法務局で相続登記の手続きを行う必要があります。
また、銀行預金の解約や名義変更の手続きも、結構大変です。銀行は、それぞれ自前の書式を揃えていますので、各銀行を巡り、書類を預からなければいけません。
いずれの手続きも、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めなければならず、法務局では提出戸籍を還付してもらうことが可能ですが、銀行では原本が取りきられたりすることもあり、大変です。
しかし、資産ばかりが残っている状態なら、まだ良いです。
その逆として、負債が大量に残っている場合が問題です。
生前、借金にまみれている生活を送っていた場合には遺産相続をすると、負の遺産までも引き継がなくてはなりません。
そこで、登場するのが相続放棄と呼ばれる手続きです。
これは、相続人である地位を喪失させる手続きですので、資産だけでなく負の遺産も放棄することができるのです。
大量の借金が残っている場合でも、家庭裁判所で手続きをすることによって無効にしてしまうことができます。
一つだけ問題があり、個人で手続きをするには専門知識が必要ということです。
個人で手続きを踏むよりも、専門家に相談することをすすめます。
電話での無料相談も行っている事務所もあるので、まずは電話をしましょう。
ただ、この手続きは無期限に待ってくれるわけではありません。
法律上、原則として自己のために相続が発生したことを知ってから三か月以内に相続放棄の申述しなければいけませんので、注意が必要です。
尚、申述する人については、相続人本人、または、相続の権利を有する人が未成年等である場合には法定代理人があたることになります。
また、亡くなった人が最後に在住していた地域の家庭裁判所で申述しますが、費用として収入印紙800円と連絡用郵便切手が必要なので準備しておくとよいですね。
さらに、書類もいくつか必要になります。
まず、相続放棄をする旨を書いた申述書です。
次に、放棄の申し立てに添付しておくべき書類がいります。
以下のものは、どのような立場の申述人にも必要なので用意しておきます。
被相続人の住民票除票か戸籍附票、放棄希望の申述する人の戸籍謄本ですね。
不安点やわかりにくい点がある場合には、司法書士等に依頼して期限内にきちんと申述できるようにするとよいのではないでしょうか。
2014年4月アーカイブ
親や祖父母などが亡くなってしまい、遺産相続を行う。
これは誰もがいずれは通る道です。
遺言書に沿って円満に遺産を相続するのが理想的な形なのですが、中には莫大な借金を抱えたまま亡くなってしまう方もいます。
遺族の方はその借金を背負い苦しい生活を送ることが余儀なくされてしまうのです。
しかし、相続放棄という手続き方法を知っていれば、プラスの財産もマイナスの財産も相続しないということになり、故人の残した借金に苦しまなくてすみます。
自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述書を提出し、承認されれば受理通知書が交付されます。
この3ヶ月間に申述書を提出しなければ、単純承認したとみなされ、莫大な借金を返済していくことになってしまいます。
また、相続争いに巻き込まれたくない場合でも、プラスの財産も相続しないとしてこの相続放棄という手続きを行うことが出来ます。
借金があると分かったら、返済できるどうかを考え、相続放棄も検討してみるといいでしょう。