2014年3月アーカイブ

身内に不幸が起こった際、相続の権利がある者は、法に則った形で手続きを進める必要があります。
しかし、その家庭によっては遺産の額の違いもありますし、中には借金の方が多いというケースもあるはずです。
では、全てにおいて、この遺産を相続権のある者は受け取らなければいけないのでしょうか?
その答えはノーです。
少なくても相続できるのであれば、それは受け取るでしょう。
しかし借金、負債という遺産であれば、誰だってこれは拒みたいと思うはずです。
そこで用意されているのが、相続放棄という権利です。
この相続放棄とは、文字通り相続を受け取りたくないという意思を示す行為です。
これを行うには、家庭裁判所にその旨を申請し、それが認められて成立となります。
ただし幾つかの注意点がありまして、まずはこの手続きは3ヶ月以内に行う必要があります。
そして相続放棄は、全ての財産を放棄するという意味である事になります。
つまり借金や負債は放棄したいけれど、不動産は相続したいという一部を選ぶようなやり方はできませんので、こうした内容をしっかりと把握した上で、事を進めていただきたいと思います。

相続というと、親や祖父母の遺産を相続できるということで良いことばかりのような気がしますが、実際にはそんなことはありません。
遺産相続を巡って映画やドラマでありがちな親族内のいざこざに発展することもありますし、そもそも亡くなった親族に財産があるとは限らないからです。

遺産相続をすれば自分に回ってくるのは財産だけでなく、借金の場合もあります。
また、亡くなった方が他人の債務の保証人になっていれば、その保証義務も背負うことになります。
ですから、安易に相続をしてしまうと、いろいろと面倒なことが起こるリスクもあるのです。

こういったことを避ける一つの方法として、相続放棄があります。
相続放棄をすると不動産や預貯金などの財産を引き継ぐことができないというデメリットがありますが、逆に負債を背負い込むリスクを避けることができるというメリットもあります。
また、引き継ぐ財産がほとんどない場合などは、僅かな財産のために面倒な相続手続きをしなくて済むというメリットもあります。
ただし、相続放棄は一度決定してしまうと撤回することができないので、するかどうかの意思決定は慎重に行うようにしましょう。