2013年11月アーカイブ

人間が亡くなると、亡くなった人が所有していた財産は、法定相続人が相続する事になります。
これは金品だけでなく債権や債務も対象になり、債務の場合には負の財産という事になります。
この負の財産である債務を相続してしまうと、債権者に対して弁済する義務を負ってしまいます。
金品などが債務よりも多ければ問題ありませんが、債務の額が金品の価値を上回るケースもあります。
その場合には、自分の財産から債務の弁済に要する分を工面しなければなりません。
そうした事態を避けるための方法が相続放棄です。
これを行えば、債務などの負の財産を相続しなくて済みます。
つまり、相続人が残した借金の返済をする義務を免れる事が可能になります。
ただし、相続放棄を行う事と金品などの財産の相続権も同時に放棄しなければなりません。
そのため金品などの相続財産の価値より借金の債務などの負の財産の額の方が大きい場合に、相続放棄を行うと良いという事になります。

家庭裁判所で相続放棄の手続きを行えば、借金の責任を負う必要はなくなります。
相続放棄の手続きが行える期間は、自分が相続人になったという事実を知った時から3ヶ月以内とされています。この期間を経過してしまうと、放棄が行えなくなってしまうので注意が必要です。
もしも、何か特別な事情があって、3か月間の間に手続きを行うのが難しい場合には、家庭裁判所に申請延長を申し出ることもできますよ。
手続きに必要な書類は、相続放棄申述書、申述人の戸籍謄本、被相続人の住民票の除票、収入印紙などです。このほかにもいくつかの書類を準備しなくてはなりません。
管轄裁判所は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所です。地方裁判所や簡易裁判所ではありませんよ。
裁判所に書類を提出して1、2週間ほどで、申立人の住所あてに、「照会書」という書類が送られてきます。これは、相続放棄の申述が真意にもとづくものであるかを確認するために送られてくるものです。これに対して回答を送付すると、1週間程度で申述受理通知書という書類が送られてきます。
自分で申請するのが難しいと感じた方は、弁護士や司法書士などの専門家に相談して助けてもらうとよいでしょう。

人がなくなると、相続関係者に財産の相続が法律的に始まります。
しかし、相続といえば、何かをもらうことばかりではありません。
財産があればよいのですが、もし負債などマイナスの財産である場合、相続を法律的に行った場合にマイナスの財産も受け継がなければなりません。
たとえば、親や家族に借金がある場合や、プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合においては、相続放棄することによって、自分や家族を守ることができるのです。
もちろんマイナスの財産を相続し、亡くなられた方の代わりに借金を返済することもできますが、まずは自分の生活を守ることが一番大切なのではないでしょうか。
他にも、気持ち的に家族の財産を受け取りたくはないと思った場合に相続を放棄することができます。
放棄をするには、法律的にさまざまな手続きを踏まなければなりません。
そこで相続放棄をするならば専門家に任せた方が得策です。
相続をする管轄の場所の司法書士にご相談して処理してもらうのが一番の方法といえるでしょう。