もともと掃除や洗濯が大嫌いで、まじめに働くことが苦手な母でありましたが、祖父の遺産相続後、母の性格が更に悪化してしまいました。
祖父の子供で生き残っているのが母だけでしたので、一人で莫大な財産を相続いたしました。
まず、趣味の踊り(日本舞踊)で狂ったのです。
流派のお師匠さんに高額の代金を支払って、名取りの免許状を取得いたしました。
それから人が変わったように、見栄だけの発表会です。
自作自演とはよく言ったものです。
発表会の会場費用は自己負担、当日券まで無料配布してしまいました。
それが一段落したら、こんどはパチンコ屋通いです。
1日に10万円以上負ける日が延々と続きました。
その母が、一昨年の8月に交通事故で急逝いたしました。
母の行いをしっかり見届けていた息子の私は、現在の家族である、妻と二人の娘たちを守るために、すぐに家庭裁判所に相続放棄の申述書を作成して郵送いたしました。
相続放棄の申述書に対する審査は極めて厳格なもので、何度も追加書類の提出を求められました。
半分諦めかけていた頃、昨年の一月に家庭裁判所から受理のお手紙を貰いました。